介護事業所向け ヒヤリハット報告書テンプレート
ヒヤリハット報告書は、事故にならなかった出来事を残す紙です。介護の現場では、インシデントレポートと呼ばれることもあります。
転びかけた、薬を間違えかけた、車いすのブレーキがかかっていなかった。この「かけた」を集めておくと、事故が起きる前に手が打てます。
義務として定められているわけではありませんが、多くの事業所がリスク管理の中心に置いています。このテンプレートは、書く負担を減らすため、選ぶだけで埋まる欄を多くしたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 移乗・服薬・食事・夜間の場面ごとに傾向を見たい方
- 報告が出にくい雰囲気を変えたい管理者の方
- 書く負担を減らして収集を続けたい方
どのような場面で使いますか
1件につき1枚で書きます。けががあった場合は事故報告書に切り替える形です。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 発生日時
- 場面の分類
- 発生場所
- そのときの職員数
- 対象の利用者
- 発見した職員
- 何が起きかけたか
- けがの有無
- そのときの状況
- 直前の様子
- その場での対応
- 家族への連絡
- 要因(環境)
- 要因(手順)
- 要因(本人)
- 過去の同種事例
- 再発防止1
- 実施日
- 再発防止2
- 事業所内での共有
- 共有した範囲
- 管理者確認
- 確認日
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| ヒヤリハット報告書 【記入例】 | |||
| 事業所名 | ○○介護老人保健施設 | ||
| 報告番号 | 2026-087 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| 発生日時 | 2026/8/11(火)15:20ごろ | 場面の分類 | 移乗・移動 |
| 発生場所 | 食堂(テーブル横) | そのときの職員数 | 3名(利用者24名) |
| 対象の利用者 | 高橋 きよ 様(85歳・要介護2) | 発見した職員 | 原 由美 |
| 何が起きかけたか | 車いすから立ち上がろうとした際、ブレーキがかかっておらず車いすが後ろに動きかけた | けがの有無 | なし |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 13 KB |
| 更新日 | 2026年8月23日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。事業所名・報告番号・報告日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
ヒヤリハット報告書に書く項目
ヒヤリハット報告書に書く項目は、次の5つです。
| 欄 | 中身 |
|---|---|
| いつ・どこで | 日時、場所、そのときの場面 |
| 誰が | 利用者、発見した職員、そのときの職員数 |
| 何が起きかけたか | 具体的な状況 |
| その場でどうしたか | 直した対応 |
| 次にどうするか | 環境・手順の見直し |
5番目の欄が空のまま提出されると、集めた意味が薄くなります。書いた人が思いつかない場合もあるため、事業所内の検討会で埋める運用にしている事業所もあります。
介護のヒヤリハットで多い場面
介護のヒヤリハットは、いくつかの場面に集中します。実務でよく挙がるのは、次の4つです。
- 移乗・移動。車いすのブレーキ、立ち上がりの見守り
- 服薬。配薬の間違い、飲み忘れ、落薬
- 食事。むせ、形態の間違い、義歯の未装着
- 夜間。人手が少ない時間帯の見守り
分類の欄を作って選べるようにしておくと、集計したときに傾向が見えます。ポイントはここです。件数を数えるだけでなく、場面ごとに分けて数えると、対策を打つ場所が決まります。
ヒヤリハットを集め続けるために
ヒヤリハットの収集は、始めても続かない事業所が少なくありません。よくあるのは、次の3つです。
- 書く量が多く、忙しい時間帯には書けない
- 報告すると責められる雰囲気があり、出しにくい
- 集めたあと何も変わらないため、書く意味を感じなくなる
一般には、1つ目を「選択式にする」、2つ目を「個人の評価に使わないと明言する」、3つ目を「月1回、変えたことを共有する」という形で対応している事業所が多くあります。
ヒヤリハットと事故報告書の使い分け
ヒヤリハットと事故報告書は、けががあったかどうかで分かれます。
けががなく、事故に至らなかったものはヒヤリハットです。事業所内で共有し、環境や手順の見直しにつなげます。
けががあったもの、受診したものは事故報告書になります。程度によっては市町村への報告が必要です。
判断に迷ったときは、事故報告書の側で書いておくと安全です。あとから「ヒヤリハットで十分だった」と分かるぶんには問題になりません。
よくある質問
利用者の名前は書いたほうがよいですか。
同じ方に繰り返し起きているかを見るために、利用者名は書いておく形が一般的です。職員名は、個人の評価に使わないことを事業所内で明示したうえで書くと、報告が出やすくなります。
月に何件くらい集まるのが普通ですか。
事業所の規模やサービスの種類によって差が大きいため、件数の目安を置くことにはあまり意味がありません。件数より、場面ごとの偏りと、対策のあとに同じ場面が減ったかどうかを見る形が役に立ちます。