介護事業所向け 身体拘束の記録テンプレート
身体拘束の記録は、緊急やむを得ず身体的拘束等を行った場合に、その内容を残すための用紙です。
運営基準では、身体的拘束等は原則として行ってはならないとされています。そのうえで、緊急やむを得ない場合に行うときは、態様と時間、そのときの心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録することが求められています。
このテンプレートは、記録として求められている項目に加えて、解除に向けた検討を残せる形にしたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 緊急やむを得ない場合の記録の様式を探している方
- 3つの要件それぞれについて書く形にしたい方
- 解除の検討を記録として残したい方
どのような場面で使いますか
身体的拘束等を行った期間、日ごとに心身の状況を書き足します。次回の検討日を書く欄で、漫然と続く状態を防げます。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 開始日時
- 終了予定
- 態様
- 対象となる時間帯
- 切迫性
- 生じた結果
- 非代替性
- 試した方法と結果
- 一時性
- 解除の条件
- 組織としての判断
- 判断した日
- 本人への説明
- 説明した職員
- 家族への説明
- 同意の方法
- 8/20 の心身の状況
- 拘束時間
- 8/21 の心身の状況
- 8/22 の心身の状況
- 解除の検討(次回)
- 検討する職種
- 解除した日時
- 解除を決めた会議・参加職種
- 解除後の様子
- 確認した職員
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 身体拘束の記録 | ||
| この表について | 緊急やむを得ず身体的拘束等を行った場合の記録です。態様・時間・心身の状況・理由・解除の検討を残します。 | |
| 根拠・注意 | 運営基準は、身体的拘束等を原則として行ってはならないとし、緊急やむを得ない場合に行うときは、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないとしています。 | |
| シート構成 | 記入用 … パソコンで入力して使うシート(空欄) 記入例 … 書き方の見本 A4印刷用 … 印刷して手書きで使うシート。A4の1ページに収まります | |
| 使い方 | 1. 理由は、切迫性・非代替性・一時性の3つそれぞれについて書きます 2. 非代替性の欄には、試した方法とその結果を具体的に書きます 3. 次回の検討日を書く欄を持たせると、漫然と続く状態を防げます | |
| この用紙の使い方(記録を始める前に読む) | 緊急やむを得ない場合にあたるかは、切迫性・非代替性・一時性の3つがすべてそろうかで判断する。1つでも欠けたら行わない。 判断は職員個人ではなく、組織として行う。判断した会議の名前と日付、参加した職種を書く。 上から4つの区画に分かれている。区画ごとに書く時期が変わる。 本人と家族への説明は、始める前に行う。口頭で同意を得た場合も、後日書面で受け取る。 拘束している間は、毎日の心身の状況と拘束時間を書く。書かない日を作らない。 解除の条件を先に決める。条件を満たしたら解除し、解除した日を残す。期限が来たら、続けるかどうかをもう一度会議にかける。 | |
| 更新日 | 2026-09-15 | |
| 配布元 | 商い屋 介護(https://kaigo.akinaiya.com) | |
| 【免責】本様式は一般的な項目を整理した参考資料です。法令で定められた様式そのものではありません。必要な記載事項・保存期間・提出先は、事業の種類・規模・所管行政庁の運用により異なります。実際の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。 | ||
| 身体拘束の記録 | |||
| 事業所名 | |||
| 利用者氏名 | |||
| 記録番号 | |||
| 記入者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 何をするのか(態様と期間) | |||
| 開始日時 | 終了予定 | ||
| 態様 | 対象となる時間帯 | ||
| ② 3つの要件と、組織としての判断(1つでも欠けたら行わない) | |||
| 切迫性 | 生じた結果 | ||
| 非代替性 | 試した方法と結果 | ||
| 一時性 | 解除の条件 | ||
| 組織としての判断 | 判断した日 | ||
| 本人への説明 | 説明した職員 | ||
| 家族への説明 | 同意の方法 | ||
| ③ 拘束している間の記録(毎日書く。書かない日を作らない) | |||
| 8/20 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| 8/21 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| 8/22 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| ④ 解除の検討と、解除したこと(ここが埋まって終わり) | |||
| 解除の検討(次回) | 検討する職種 | ||
| 解除した日時 | 解除を決めた会議・参加職種 | ||
| 解除後の様子 | 確認した職員 | ||
| 記入者 | 確認(看護職員) | 承認(管理者) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| 身体拘束の記録 【記入例】 | |||
| 事業所名 | ○○介護老人保健施設 | ||
| 利用者氏名 | 鈴木 正雄 様 | ||
| 記録番号 | 2026-003 | ||
| 記入者 | 看護職員 木村 洋子 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 何をするのか(態様と期間) | |||
| 開始日時 | 2026/8/20(木)21:00 | 終了予定 | 2026/8/27(木)まで(1週間) |
| 態様 | 点滴中の自己抜去を防ぐため、右上肢にミトン型の手袋を装着 | 対象となる時間帯 | 点滴実施中(21:00〜翌6:00) |
| ② 3つの要件と、組織としての判断(1つでも欠けたら行わない) | |||
| 切迫性 | 8/18、8/19と連続して夜間に点滴を自己抜去し、出血と脱水の悪化が生じた | 生じた結果 | 再挿入2回・出血あり |
| 非代替性 | 離床センサーの設置、点滴ルートの固定位置の変更、夜間の見守り強化を試みたが抜去を防げなかった | 試した方法と結果 | いずれも8/18〜8/19に実施したが効果なし |
| 一時性 | 点滴が終了する8/27までの期間に限る | 解除の条件 | 経口摂取が回復し点滴が終了した時点 |
| 組織としての判断 | 8/20 サービス担当者会議(施設長・看護職員・介護職員・嘱託医) | 判断した日 | 2026/8/20 |
| 本人への説明 | 8/20 18:00 本人へ内容と理由を説明。理解の程度は限定的 | 説明した職員 | 木村 洋子 |
| 家族への説明 | 8/20 18:30 長男へ電話で説明し同意を得た | 同意の方法 | 口頭(8/22に書面で受領) |
| ③ 拘束している間の記録(毎日書く。書かない日を作らない) | |||
| 8/20 の心身の状況 | 装着中に外そうとする動作が2回。声かけで落ち着かれる。睡眠は約5時間 | 拘束時間 | 21:00〜6:00(9時間) |
| 8/21 の心身の状況 | 装着中の動作なし。日中は装着せず経過 | 拘束時間 | 21:00〜6:00(9時間) |
| 8/22 の心身の状況 | 経口摂取がやや増える。夜間の覚醒1回 | 拘束時間 | 21:00〜6:00(9時間) |
| ④ 解除の検討と、解除したこと(ここが埋まって終わり) | |||
| 解除の検討(次回) | 2026/8/25 に嘱託医と点滴の継続を相談し、解除の可否を判断する | 検討する職種 | 嘱託医・看護職員・介護職員 |
| 解除した日時 | (解除したら記入する) | 解除を決めた会議・参加職種 | |
| 解除後の様子 | (解除から数日の様子を書く) | 確認した職員 | |
| 記入者 | 確認(看護職員) | 承認(管理者) | |
| 木村 洋子 | 木村 洋子 | 斉藤 明 | |
| 備考 | |||
| 8/25の相談で点滴が8/26に終了となったため、8/26の朝に解除した。 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| 身体拘束の記録 | |||
| 事業所名 | |||
| 利用者氏名 | |||
| 記録番号 | |||
| 記入者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 何をするのか(態様と期間) | |||
| 開始日時 | 終了予定 | ||
| 態様 | 対象となる時間帯 | ||
| ② 3つの要件と、組織としての判断(1つでも欠けたら行わない) | |||
| 切迫性 | 生じた結果 | ||
| 非代替性 | 試した方法と結果 | ||
| 一時性 | 解除の条件 | ||
| 組織としての判断 | 判断した日 | ||
| 本人への説明 | 説明した職員 | ||
| 家族への説明 | 同意の方法 | ||
| ③ 拘束している間の記録(毎日書く。書かない日を作らない) | |||
| 8/20 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| 8/21 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| 8/22 の心身の状況 | 拘束時間 | ||
| ④ 解除の検討と、解除したこと(ここが埋まって終わり) | |||
| 解除の検討(次回) | 検討する職種 | ||
| 解除した日時 | 解除を決めた会議・参加職種 | ||
| 解除後の様子 | 確認した職員 | ||
| 記入者 | 確認(看護職員) | 承認(管理者) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年9月15日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。事業所名・利用者氏名・記録番号などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 運営基準は、身体的拘束等を原則として行ってはならないとし、緊急やむを得ない場合に行うときは、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないとしています。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
身体拘束の記録に残す項目
身体拘束の記録に残す項目は、基準で求められているものが中心になります。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 態様 | 行った行為の具体的な内容 |
| 時間 | 開始と終了の時刻、1日の合計 |
| 心身の状況 | そのときの本人の状態、拘束中の様子 |
| 緊急やむを得ない理由 | 切迫性・非代替性・一時性の3つの観点 |
| 説明と同意 | 本人・家族への説明の日時と内容 |
| 解除の検討 | いつ、どんな条件で解除できるか |
理由は3つの観点それぞれについて書く形にします。切迫性、非代替性、一時性のどれか1つでも欠けると、緊急やむを得ない場合にあたらないと考えられています。
3つの要件の考え方
緊急やむを得ない場合にあたるかどうかは、3つの要件をすべて満たすかどうかで判断されます。
- 切迫性。本人または他の人の生命や身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
- 非代替性。身体的拘束等以外に代わる方法がない
- 一時性。行うのが一時的である
ポイントはここです。2つ目がもっとも書きにくい欄になります。何を試して、なぜそれでは足りなかったのかを具体的に書くと、検討した経過が残ります。
身体拘束の記録と手続き
身体拘束の記録は、記録だけを残せばよいというものではありません。実務では、次の手続きとセットで運用されています。
- 組織として判断する場(担当者の会議など)を経る
- 本人と家族に、内容・目的・理由・時間などを説明する
- 定期的に検討し、解除できる状態になっていないかを確認する
3つ目を残す欄を持たせておくと、漫然と続く状態を防げます。記録用紙の中に「次回の検討日」を書く欄を置いている事業所があります。
身体拘束廃止に向けた取り組み
身体的拘束等の適正化については、指針の整備、委員会の開催、研修の実施が求められています。記録は、その取り組みの一部です。
一般には、次の形で運用している事業所が多くあります。
- 委員会を定期的に開き、記録された事例を検討する
- 研修を定期的に行い、新規採用時にも実施する
- 記録から、拘束の件数と時間が減っているかを見る
記録を集めるだけで終わらせず、委員会で読む形にしておくと、取り組みが続きます。
判断を職員1人にさせない
夜勤帯に「このままでは危ない」と感じたとき、その場にいる職員が1人で決める形になっていると、判断がぶれます。
この様式では、使い方を「説明」シートに書いています。
- 切迫性・非代替性・一時性の3つがすべてそろうかで判断する。1つでも欠けたら行わない
- 判断は職員個人ではなく、組織として行う
- 判断した会議の名前と日付、参加した職種を書く
「非代替性」の欄には、試した方法とその結果を書きます。ほかに方法がなかったことを、あとから説明できる形にしておきます。
解除まで書いて、はじめて終わり
この様式は、上から4つの区画に分かれています。いちばん下に「解除した日時」「解除を決めた会議」「解除後の様子」の欄があります。
解除の条件を先に決めておきます。条件を満たしたら解除し、解除した日を残します。期限が来たら、続けるかどうかをもう一度会議にかけます。
解除の欄が空のまま日が過ぎている記録は、拘束が続いている記録です。委員会で読むときは、ここを最初に見ます。
よくある質問
ベッド柵は身体拘束にあたりますか。
本人が自分で降りられないように四方を囲む形は、身体的拘束等にあたると考えられています。転落を防ぐために片側だけに設置する場合など、状況によって扱いが変わるため、事業所内で判断の基準をそろえておく形が確実です。
記録はどのくらいの頻度で書きますか。
拘束を行った日ごとに、開始と終了の時刻、そのときの心身の状況を書く形が求められています。継続する場合も、日ごとに状況を残す運用にしている事業所が多くあります。