介護事業所向け ヒヤリハット報告書テンプレート
ヒヤリハット報告書は、事故にならなかった出来事を残す紙です。介護の現場では、インシデントレポートと呼ばれることもあります。
転びかけた、薬を間違えかけた、車いすのブレーキがかかっていなかった。この「かけた」を集めておくと、事故が起きる前に手が打てます。
義務として定められているわけではありませんが、多くの事業所がリスク管理の中心に置いています。このテンプレートは、書く負担を減らすため、選ぶだけで埋まる欄を多くしたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 移乗・服薬・食事・夜間の場面ごとに傾向を見たい方
- 報告が出にくい雰囲気を変えたい管理者の方
- 書く負担を減らして収集を続けたい方
どのような場面で使いますか
1件につき1枚で書きます。けががあった場合は事故報告書に切り替える形です。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 発生日時
- 場面の分類
- 発生場所
- そのときの職員数
- 対象の利用者
- 発見した職員
- 何が起きかけたか
- けがの有無
- そのときの状況
- 直前の様子
- その場での対応
- 家族への連絡
- 要因(環境)
- 要因(手順)
- 要因(本人)
- 過去の同種事例
- 再発防止1
- 実施日
- 再発防止2
- 事業所内での共有
- 共有した範囲
- この件の完了日
- 完了を確認した人
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| ヒヤリハット報告書 | ||
| この表について | 事故に至らなかった出来事を1件ずつ残す様式です。場面・要因・その場の対応・再発防止を1枚にまとめます。 | |
| シート構成 | 記入用 … パソコンで入力して使うシート(空欄) 記入例 … 書き方の見本 A4印刷用 … 印刷して手書きで使うシート。A4の1ページに収まります | |
| 使い方 | 1. 場面の分類(移乗・服薬・食事・夜間など)を選べるようにすると、傾向が見えます 2. 再発防止の欄は、書いた人が思いつかない場合、検討会で埋める運用にすると続きます 3. 職員名は個人の評価に使わないことを事業所内で明示すると、報告が出やすくなります | |
| この用紙の使い方(書き始める前に読む) | 報告した職員を責めない。書いた内容で評価しない、と事業所で先に決めておく。 上から3つの区画に分かれている。見つけた人は「① 見つけた人が書く」だけ埋めて出してよい。 その場で危ないと思ったら、まず利用者を支えて声をかける。用紙はあとでよい。 けががあったもの、受診したものは事故報告書に切り替える。迷ったら事故報告書の側で書く。 再発防止が思いつかないときは空で出す。リスク検討会で埋める。 「実施日」「事業所内での共有」が空のままの報告は、まだ終わっていない。月に一度、空欄だけを見る。 | |
| 更新日 | 2026-09-15 | |
| 配布元 | 商い屋 介護(https://kaigo.akinaiya.com) | |
| 【免責】本様式は一般的な項目を整理した参考資料です。法令で定められた様式そのものではありません。必要な記載事項・保存期間・提出先は、事業の種類・規模・所管行政庁の運用により異なります。実際の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。 | ||
| ヒヤリハット報告書 | |||
| 事業所名 | |||
| 報告番号 | |||
| 報告日 | |||
| 報告者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 場面の分類 | ||
| 発生場所 | そのときの職員数 | ||
| 対象の利用者 | 発見した職員 | ||
| 何が起きかけたか | けがの有無 | ||
| そのときの状況 | 直前の様子 | ||
| その場での対応 | 家族への連絡 | ||
| ② 事業所で要因と再発防止を決める(リスク検討会/思いつかない欄は会議で埋める) | |||
| 要因(環境) | 要因(手順) | ||
| 要因(本人) | 過去の同種事例 | ||
| 再発防止1 | 実施日 | ||
| 再発防止2 | 実施日 | ||
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 事業所内での共有 | 共有した範囲 | ||
| この件の完了日 | 完了を確認した人 | ||
| 報告者 | 確認(リーダー) | 承認(管理者) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| ヒヤリハット報告書 【記入例】 | |||
| 事業所名 | ○○介護老人保健施設 | ||
| 報告番号 | 2026-087 | ||
| 報告日 | 2026年8月11日 | ||
| 報告者 | 介護職員 原 由美 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 2026/8/11(火)15:20ごろ | 場面の分類 | 移乗・移動 |
| 発生場所 | 食堂(テーブル横) | そのときの職員数 | 3名(利用者24名) |
| 対象の利用者 | 高橋 きよ 様(85歳・要介護2) | 発見した職員 | 原 由美 |
| 何が起きかけたか | 車いすから立ち上がろうとした際、ブレーキがかかっておらず車いすが後ろに動きかけた | けがの有無 | なし |
| そのときの状況 | おやつの片づけ中で、職員3名がそれぞれ別の対応をしていた | 直前の様子 | トイレへ行きたいと言われていた |
| その場での対応 | 声をかけて動きを止め、車いすを支えてブレーキをかけた。その後トイレへ誘導 | 家族への連絡 | なし(けがなしのため) |
| ② 事業所で要因と再発防止を決める(リスク検討会/思いつかない欄は会議で埋める) | |||
| 要因(環境) | テーブル横は床がわずかに傾いており、ブレーキなしでは動きやすい | 要因(手順) | おやつ後の片づけと誘導が同じ時間帯に重なっていた |
| 要因(本人) | トイレを我慢せず自分で動こうとされる傾向がある | 過去の同種事例 | 7月に1件(同じ食堂) |
| 再発防止1 | おやつ後は、片づけより先にトイレ誘導を行う順番に変える | 実施日 | 2026/8/12 |
| 再発防止2 | 食堂のテーブル位置を変え、傾きのある場所を使わない | 実施日 | 2026/8/15 |
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 事業所内での共有 | 8/11 夕方の申し送りで共有/8/22 リスク検討会で報告 | 共有した範囲 | 全職員 |
| この件の完了日 | 2026/8/15 | 完了を確認した人 | 施設長 斉藤 明 |
| 報告者 | 確認(リーダー) | 承認(管理者) | |
| 原 由美 | 木村 洋子 | 斉藤 明 | |
| 備考 | |||
| 同じ食堂で7月にも同種の事例があった。テーブル位置の変更後、9月末に再度確認する。 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| ヒヤリハット報告書 | |||
| 事業所名 | |||
| 報告番号 | |||
| 報告日 | |||
| 報告者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 場面の分類 | ||
| 発生場所 | そのときの職員数 | ||
| 対象の利用者 | 発見した職員 | ||
| 何が起きかけたか | けがの有無 | ||
| そのときの状況 | 直前の様子 | ||
| その場での対応 | 家族への連絡 | ||
| ② 事業所で要因と再発防止を決める(リスク検討会/思いつかない欄は会議で埋める) | |||
| 要因(環境) | 要因(手順) | ||
| 要因(本人) | 過去の同種事例 | ||
| 再発防止1 | 実施日 | ||
| 再発防止2 | 実施日 | ||
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 事業所内での共有 | 共有した範囲 | ||
| この件の完了日 | 完了を確認した人 | ||
| 報告者 | 確認(リーダー) | 承認(管理者) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 介護 https://kaigo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年9月15日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。事業所名・報告番号・報告日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
ヒヤリハット報告書に書く項目
ヒヤリハット報告書に書く項目は、次の5つです。
| 欄 | 中身 |
|---|---|
| いつ・どこで | 日時、場所、そのときの場面 |
| 誰が | 利用者、発見した職員、そのときの職員数 |
| 何が起きかけたか | 具体的な状況 |
| その場でどうしたか | 直した対応 |
| 次にどうするか | 環境・手順の見直し |
5番目の欄が空のまま提出されると、集めた意味が薄くなります。書いた人が思いつかない場合もあるため、事業所内の検討会で埋める運用にしている事業所もあります。
介護のヒヤリハットで多い場面
介護のヒヤリハットは、いくつかの場面に集中します。実務でよく挙がるのは、次の4つです。
- 移乗・移動。車いすのブレーキ、立ち上がりの見守り
- 服薬。配薬の間違い、飲み忘れ、落薬
- 食事。むせ、形態の間違い、義歯の未装着
- 夜間。人手が少ない時間帯の見守り
分類の欄を作って選べるようにしておくと、集計したときに傾向が見えます。ポイントはここです。件数を数えるだけでなく、場面ごとに分けて数えると、対策を打つ場所が決まります。
ヒヤリハットを集め続けるために
ヒヤリハットの収集は、始めても続かない事業所が少なくありません。よくあるのは、次の3つです。
- 書く量が多く、忙しい時間帯には書けない
- 報告すると責められる雰囲気があり、出しにくい
- 集めたあと何も変わらないため、書く意味を感じなくなる
一般には、1つ目を「選択式にする」、2つ目を「個人の評価に使わないと明言する」、3つ目を「月1回、変えたことを共有する」という形で対応している事業所が多くあります。
ヒヤリハットと事故報告書の使い分け
ヒヤリハットと事故報告書は、けががあったかどうかで分かれます。
けががなく、事故に至らなかったものはヒヤリハットです。事業所内で共有し、環境や手順の見直しにつなげます。
けががあったもの、受診したものは事故報告書になります。程度によっては市町村への報告が必要です。
判断に迷ったときは、事故報告書の側で書いておくと安全です。あとから「ヒヤリハットで十分だった」と分かるぶんには問題になりません。
見つけた人は、どこまで書けばよいか
この様式は、上から3つの区画に分かれています。
| 区画 | 内容 | 書く人 |
|---|---|---|
| ① | いつ・どこで・何が起きかけたか | 見つけた人 |
| ② | 要因と再発防止 | リスク検討会・リーダー |
| ③ | 実施と共有の確認・完了 | 確認した人 |
見つけた人は①だけ埋めて出してよい形にします。再発防止まで書かせると、思いつかない人は出さなくなります。
その場で危ないと思ったら、まず利用者を支えて声をかけます。用紙はあとでよいです。
終わっていない報告を見つける
いちばん下に「この件の完了日」と「完了を確認した人」の欄を置いています。実施日と共有の欄が空のままの報告は、集めただけで終わっている報告です。
月に一度、完了日が空いている件だけを数えると、止まっているものが見えます。報告者・リーダー・管理者の欄も、いちばん下にあります。
よくある質問
利用者の名前は書いたほうがよいですか。
同じ方に繰り返し起きているかを見るために、利用者名は書いておく形が一般的です。職員名は、個人の評価に使わないことを事業所内で明示したうえで書くと、報告が出やすくなります。
月に何件くらい集まるのが普通ですか。
事業所の規模やサービスの種類によって差が大きいため、件数の目安を置くことにはあまり意味がありません。件数より、場面ごとの偏りと、対策のあとに同じ場面が減ったかどうかを見る形が役に立ちます。