介護の退職証明書|実務経験証明書とは別

公開 2026年9月22日

目次14項目

退職した職員から「証明書がほしい」と連絡が来る。その場で様式を用意しようとして、手が止まります。求められているのが、退職証明書なのか実務経験証明書なのかが分からないためです。

一般には、受付の時点でどちらかを分ける形が取られています。この2つは名前も中身も別の書類です

同じつもりで進めると、出した後に作り直すことになります。

ポイントはここです。介護の退職証明書は、受付でどちらの書類かを先に分けると迷いません

ここでは、2つの書類の違い、書ける5つの事項、従事したサービスの書き方、そして材料と保存期間までを順に整理します。

介護の退職証明書と実務経験証明書は別のもの

介護の現場でいちばん混ざるのが、この2つです。

退職証明書

  • 退職した事実を証明する
  • 労働基準法にもとづく
  • 書ける事項は5つ

実務経験証明書

  • 従事した期間と日数を証明する
  • 資格の要件として使う
  • 従事日数を数える
受付の時点で、どちらを求められているかを分ける

実務経験証明書は、介護福祉士の受験や、転職先での配置の確認に使われます。

様式が違う

退職証明書は様式が定められていないため、事業所が作ります。一方で、実務経験証明書は提出先が様式を指定していることがほとんどです。

交付までの時間も違う

実務経験証明書では、従事日数を出勤簿から数える作業が入ります。そのため、退職証明書と同じ感覚で「数日で」と答えると間に合いません。

両方を求められることもある

用途が違うため、どちらかで代えられるとは限りません。この場合、それぞれの目安を伝えます。

介護の退職証明書に書ける5つの事項

退職証明書は、退職した人の請求に応じて事業所が交付する証明書です。

  • 5つ証明できる事項
  • 請求分だけ実際に書く範囲
  • 遅滞なく交付の時期
使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由。そのうち請求された分だけ

解雇の場合は、その理由も含むとされています。

請求されていない事項は書かない

これは定めがあるとされています。よかれと思って保有資格や退職の事由を足すと、提出先に不要な情報が伝わります。

交付の時期に日数の定めは無い

遅滞なくとされていて、何日以内という定めはありません。そのため、事業所で目安を決めておくと担当が迷いません。

介護の退職証明書で業務の種類をどう書くか

介護では、従事していたサービスの種類を書く形が分かりやすくなります。

訪問介護、通所介護、施設。担当していた職種も添えます。介護職員、サービス提供責任者、生活相談員、ケアマネジャー。

途中でサービスが変わった人

同じ事業所の中で、訪問から通所へ移ることがあります。この場合、期間を分けて書くと、そのまま経歴の証明になります。

保有資格は請求が無ければ書かない

書ける事項は5つに限られています。資格そのものの証明が必要なら、本人が資格者証で示します。

記録から写す

労働者名簿、勤務形態一覧表、シフト表。記憶や本人の申告で書かないのが原則です。

介護の退職証明書と実務経験の日数の数え方

実務経験証明書では、従事期間だけでなく従事日数を書くことが求められる形があります。

この日数は出勤簿から数えます。勤務形態一覧表や勤務の記録と突き合わせる作業になるため、時間がかかります。

  1. 1 期間を出す 雇入れから退職まで
  2. 2 日数を数える 出勤簿から1日ずつ
  3. 3 突き合わせる 勤務形態一覧表と
  4. 4 様式に写す 提出先の指定の様式へ
退職証明書より2段階多い。交付までの目安も別に伝える

数え方は提出先が定めている

資格や提出先によって、数え方が定められています。そのため、判断に迷うときは提出先の都道府県や試験の窓口に確かめます。

夜勤や短時間勤務の扱い

1日と数えるかどうかで、合計が変わります。この場合も、提出先の案内に従います。

数えた基準を控えに残す

同じ人から再び求められることがあります。一方で、基準が残っていないと、数え直しになります。

介護の退職証明書と離職票は別のもの

社内で混ざりやすいのが、離職票との違いです。

離職票は、雇用保険の手続きで使う書類です。事業所がハローワークへ離職証明書を出し、ハローワークが交付します。

退職証明書は事業所が発行する証明書で、様式は定められていません。そのため、離職票が届くまでに時間がかかる場面で求められることがあります。

どちらを出すかは用途で決まる

失業給付の手続きなら離職票、転職先や役所の手続きなら退職証明書が多くなります。この場合、本人に用途を聞くのが早い道になります。

在職中の人から求められたら別の書類

在籍している人からの依頼は、在職証明書になります。こちらは法令に定めのある書類ではありません。

介護の退職証明書の材料をどこから取るか

証明書の内容を新しく作るわけではありません。

労働者名簿

氏名、雇入れの年月日、退職の年月日、従事する業務の種類。使用期間はここから取れます。

勤務形態一覧表とシフト表

従事していたサービスと職種。常勤か非常勤か、勤務時間の区分も分かります。

出勤簿

従事日数。実務経験証明書を求められたときに、いちばん時間がかかる材料です。

賃金台帳

賃金の額。どの期間の賃金を書くかは、請求の内容で変わります。

介護の退職証明書はいつまで応じるか

請求は、退職の直後とは限りません。資格の受験を思い立って、何年か経ってから連絡が来ることがあります。

労働基準法にもとづく請求権は、賃金以外は2年とされています。とはいえ、実際に書けるかどうかは、記録が残っているかで決まります。

記録の保存期間が、書ける期間になる

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿。これらには保存の期間が定められているため、書ける期間はそこに縛られます。

残っていないことは、残っていないと伝える

期間を過ぎた請求については、記録が残っていないことを伝える形になります。そのうえで、所轄の労働基準監督署に確かめると判断の材料になります。

退職者の記録を1か所に綴じる

名簿、台帳、出勤の記録、勤務形態一覧表。退職の日で綴じておくと、請求が来たときに探す手間が小さくなります。

介護の退職証明書の手順を1枚にする

職員の入れ替わりがある現場では、請求が定期的に来ます。1枚にまとめておくと、担当が代わっても同じ形で回せます。

書くのは5つです。受付でどちらの書類かを分けること、請求の様式、材料の置き場所、交付までの目安、控えの保管場所。

目安を2つ書く

退職証明書は数日から1週間、実務経験証明書は2週間。この2つを分けて書いておくと、本人に伝えるときに迷いません。

控えは請求の書面と一緒に綴じる

どの項目を請求されたかが残っていれば、書かなかった項目について後から聞かれても答えられます。

退職の案内に1行入れる

必要になったら連絡してほしい、と伝えておきます。そのうえで、実務経験証明書も出せることを添えると、後の連絡が1回で済みます。

介護の退職証明書を出す前に確かめる3つ

介護の退職証明書は、交付の前に短い確認を入れると差し戻しが減ります。

求められている書類が合っているか

退職証明書なのか、実務経験証明書なのか。受付で分けたはずでも、作る段階でもう一度確かめます。

請求された項目と一致しているか

チェック欄と、実際に書いた欄を突き合わせます。請求の無い欄に文字が残っていないかを見ます。

事業所の情報が入っているか

所在地、名称、事業主名。この3つが抜けていると、提出先で受け付けられないことがあります。

介護の退職証明書の控えをどう残すか

介護の退職証明書は、同じ人から再び請求が来ることがあります。

請求の記録と同じつづりに入れる

どの項目を請求され、何を書いて、いつ渡したか。この3つが1か所にあれば、再請求のときに同じ内容で出せます。

実務経験の数え方も一緒に残す

従事日数をどう数えたか。そのうえで、次に求められたときに数え直さずに済みます。

事業所ごとに分けるか決める

複数の事業所を運営している法人では、どこで保管するかを決めておきます。一方で、職員が事業所をまたいで異動していることもあります。

介護の退職証明書を法人の中で回す

複数の事業所がある法人では、経路を決めておかないと止まります。

退職した事業所が受ける

その職員の記録がある場所です。そのため、連絡が本部に来た場合も、記録のある事業所へ回します。

異動があった人の扱い

訪問から通所へ移った人など、複数の事業所にまたがることがあります。この場合、期間を分けて書くと、そのまま経歴の証明になります。

本部で様式をそろえる

事業所ごとに様式が違うと、法人としての形がそろいません。そのうえで、書き方の決めごとも1枚にして配ります。

介護の退職証明書を新しい管理者に引き継ぐとき

介護の退職証明書は、年に何回かしか触らない手続きです。

2つの書類の違いを最初に伝える

退職証明書と実務経験証明書。ここを取り違えると、出した後に作り直しになります。

交付までの目安を2つ伝える

退職証明書は数日から1週間、実務経験証明書は2週間。この2つを分けて覚えてもらいます。

前回の控えを見せる

埋まった状態の様式を1枚見せると、完成形が伝わります。説明より早く分かります。

記録の置き場所を教える

名簿、台帳、出勤簿、勤務形態一覧表。後から請求が来たときに探す場所です。

介護の退職証明書が求められる場面

介護の退職証明書は、場面によって必要な項目が変わります。

転職先への提出

在籍期間と、従事していたサービスの種類が見られます。そのため、業務の種類の欄が中心になります。

国民健康保険や国民年金の手続き

退職した日が分かるものとして、市区町村の窓口で求められます。使用期間があれば足りる場面が多くなります。

賃貸や融資の審査

前職の勤務の実態を確かめるために使われます。この場合、賃金の証明を求められることがあります。

失業給付までのつなぎ

離職票が届くまでの間に、退職した事実を示すために使われます。一方で、給付の手続きそのものには離職票が要ります。

介護の退職証明書で賃金欄をどう書くか

介護では、夜勤手当や処遇改善の手当が加わる形が多くあります。

月額か年額か

用途によって求められる形が違います。そのため、請求のときに確かめます。

手当を含めるかどうか

夜勤の回数によって月ごとに額が変わります。この場合、どの月の額か、平均かを決めてから書きます。

請求が無ければ書かない

賃金の請求が無ければ、この欄は空けます。手当の内訳まで書いて渡す必要はありません。

様式は退職証明書テンプレートからダウンロードできます。在籍中の人向けは在職証明書、材料になる帳簿は労働者名簿にまとめています。

よくある質問

退職証明書と実務経験証明書はどちらを出しますか。

用途が違うため、受付の時点でどちらを求められているかを分けます。介護福祉士の受験や配置の確認なら実務経験証明書、退職した事実の証明なら退職証明書です。

保有していた資格も書きますか。

請求されていなければ書きません。書ける事項は5つに限られています。資格そのものの証明が必要なら、本人が資格者証で示します。

実務経験証明書はどのくらいで出せますか。

従事日数を出勤簿から数える作業が入るため、退職証明書より時間がかかります。交付までの目安を別に伝えておくと、行き違いが減ります。

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