介護事業所向け 介護事故報告書テンプレート
介護事故報告書は、事故の経過と対応を残す書類です。転倒、誤薬、誤嚥、無断外出。どれも、起きたあとの記録の残し方で、その後の対応が変わります。
運営基準では、事故が起きたときに市町村と家族へ連絡し、必要な措置を講じたうえで、その状況と処置を記録することが求められています。市町村へ提出する様式は自治体ごとに定められていることが多く、事業所内の記録とは別に必要になります。
このテンプレートは、事業所内で使う記録として、原因の分析と再発防止まで書ける形にしたものです。
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このテンプレートは誰向けですか
- 事業所内で使う事故報告書の様式を整えたい方
- 原因の分析と再発防止まで1枚でたどりたい方
- 市町村への報告とは別に控えを残したい方
どのような場面で使いますか
事故が起きた当日から書き始めます。発見した職員が状況を書き、管理者が分析と再発防止をまとめる形です。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 発生日時
- 発見日時
- 発生場所
- 事故の種類
- 利用者氏名
- 既往症・服薬
- そのときの職員配置
- 発見した職員
- 発見時の状況
- 転倒の瞬間
- 本人の訴え
- 意識・バイタル
- けがの部位・程度
- 応急処置
- 受診・搬送
- 診断名
- 家族への連絡
- 連絡した職員
- 主治医への連絡
- 市町村への報告
- 直接の原因
- そのとき鳴っていた
- 背景にある要因
- 記録の確認
- 再発防止1
- 実施日
- 再発防止2
- 再発防止3
- 職員への共有
- 3か月後の確認
- この件の完了日
- 完了を確認した人
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 介護事故報告書 【記入例】 | |||
| 事業所名 | ○○介護老人保健施設 | ||
| 報告番号 | 2026-011 | ||
| この用紙の使い方(書き始める前に読む) | |||
| 利用者の手当てと受診が先。用紙はそのあとでよい。 | |||
| 上から4つの区画に分かれている。区画ごとに書く人と書く時期が変わる。当日は①と②だけ埋めればよい。 | |||
| 見ていなかった部分は「見ていない」と書く。推測で埋めない。あとで家族への説明と食い違う。 | |||
| 家族への連絡は、受診の前でも先に入れる。連絡した時刻と、誰が連絡したかを書く。 | |||
| 市町村への報告が必要な事故に該当するかは、早い段階で市町村に確認する。 | |||
| 「3か月後の確認」が空のものは、まだ終わっていない。対策が続いているかを見て閉じる。 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 何が起きたか(当日/見ていない部分は「見ていない」と書く) | |||
| 発生日時 | 2026/8/18(火)2:40ごろ | 発見日時 | 2026/8/18 2:40 |
| 発生場所 | 居室(302号室)ベッド脇 | 事故の種類 | 転倒(発見時の状態から推定) |
| 利用者氏名 | 鈴木 正雄 様(88歳・要介護3) | 既往症・服薬 | 脳梗塞後遺症/睡眠導入剤(就寝前) |
| そのときの職員配置 | 夜勤2名(大野・中島)/入所者42名 | 発見した職員 | 大野 圭 |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 15 KB |
| 更新日 | 2026年9月15日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。事業所名・報告番号・報告日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 運営基準は、事故が発生した場合に市町村、家族等に連絡を行うとともに必要な措置を講じ、その状況及び処置について記録することを求めています。市町村へ提出する報告の様式は、自治体ごとに定められていることが一般的です。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
介護事故報告書に残す項目
介護事故報告書に残す項目は、時間の流れに沿って並びます。
| 段階 | 書く内容 |
|---|---|
| 発生 | 日時・場所・利用者・発見した職員・そのときの職員配置 |
| 状況 | 何が起きたか(発見時の状態を含む) |
| 対応 | 応急処置・受診・搬送の有無 |
| 連絡 | 家族への連絡時刻・市町村への報告・主治医への連絡 |
| 分析 | 直接の原因・背景にある要因 |
| 再発防止 | 変えること・実施した日・その後の確認 |
発見時の状態を、推測を交えずに書くことが最初の一歩になります。転倒の場面を見ていない場合、「転倒した」ではなく「床に座り込んでいるところを発見した」と書きます。
介護事故報告書を書くときの順番
介護事故報告書は、書く順番を決めておくと当日の混乱が減ります。実務では、次の順で進めている事業所が多くあります。
- 本人の安全確保と応急処置を最優先で行う
- 家族と主治医へ連絡する
- 発見した職員が、その日のうちに状況を書く
- 翌日以降、管理者が原因の分析と再発防止をまとめる
- 市町村への報告が必要な場合は、指定様式で提出する
ポイントはここです。3つ目と4つ目を分けておくと、記録が早く残り、分析にも時間をかけられます。
市町村への報告が必要になる場合
市町村への報告が必要になる範囲は、自治体ごとに定められています。一般には、次のような事故が対象とされていることが多くあります。
- 死亡に至った事故
- 医療機関で治療を要した事故
- 食中毒や感染症の発生
- 職員の不祥事による事故
判断に迷う場合は、保険者の担当課に相談する形が確実です。報告の期限や様式も自治体によって違うため、あらかじめ確認して事業所内に掲示しておくと、当日に迷いません。
介護事故報告書と再発防止
介護事故報告書は、書いて綴じるだけでは再発防止につながりません。実務では、次の形にしている事業所が多くあります。
- 事故の内容を、その週のうちに全職員へ共有する
- 再発防止の欄に書いたことを、実施した日まで残す
- 3か月後に、実施した対策が続いているかを確認する
3つ目まで行っている事業所は多くありません。対策が続いているかを見る欄を持たせておくと、報告書が事業所の材料として使えます。
当日はどこまで書けばよいか
事故のあった日に全部を書き切ることはできません。この様式は、上から4つの区画に分かれています。
| 区画 | 内容 | 書く時期 |
|---|---|---|
| ① | 何が起きたか(事実) | 当日 |
| ② | 手当て・受診・家族と市町村への連絡 | 当日 |
| ③ | 原因と再発防止 | 数日以内 |
| ④ | 共有と3か月後の確認 | 3か月後 |
当日は①と②だけ埋めれば出せる形にします。全部埋まらないと出せない様式にすると、提出そのものが遅れます。
見ていなかった部分は「見ていない」と書きます。推測で埋めると、あとで家族への説明と食い違います。
終わっていない報告書を見つける
いちばん下に「この件の完了日」と「完了を確認した人」の欄を置いています。
3か月後の確認と完了日が空のものは、まだ終わっていない報告書です。月に一度、空欄の件数を数えるだけで、止まっているものが分かります。
よくある質問
軽いけがでも報告書を書きますか。
事業所の規程によります。多くの事業所では、受診に至らないものはヒヤリハットまたは軽微事故として別の様式で残し、受診したものと家族への説明が必要なものを事故報告書にしています。
市町村へ提出する様式と同じでよいですか。
自治体の指定様式がある場合は、提出はそちらで行う形になります。事業所内の記録として、原因の分析や再発防止まで書ける様式を別に持っている事業所が多くあります。