個別機能訓練計画書の書き方|目標と3か月ごとの評価

公開 2026年9月3日

目次8項目

個別機能訓練計画書が、全員ほぼ同じ内容になっている事業所があります。「下肢筋力の維持」「歩行の安定」という目標が並び、訓練の内容も同じ。これだと、3か月後に何を評価すればよいかが決まりません。

一般には、本人が生活の中でやりたいことを目標に置き、そこから訓練を決めます。目標を生活の場面で書くと、訓練の内容がそこから決まります

とはいえ、聞き取りをしていないと、生活の目標は出てきません。

ポイントはここです。個別機能訓練計画書は、生活の目標から訓練を決めるための書類という位置づけになります

ここでは、何を決める書類なのか、誰が作るか、目標と訓練の書き方、そして3か月ごとの評価までを順に整理します。

個別機能訓練計画書とは何を決める書類か

個別機能訓練計画書は、その方に行う機能訓練の内容を定めた書類です。目標、訓練の内容、評価の3つで組み立てます。

  • 目標生活の中でできること
  • 内容行う訓練と回数
  • 評価3か月ごとの進捗
計画書は、目標・内容・評価の3つで組む

評価の欄まで含めて1枚にしておくと、見直しがその紙で進みます。

生活の目標から訓練を決める

「下肢筋力の向上」は、訓練の内容であって目標ではありません。何のために筋力を上げるのかが、目標になります。

トイレまで自分で歩けるようになる、玄関の段差をまたげるようになる。このように生活の場面で書くと、必要な動作が決まります。

そのうえで、その動作に効く訓練を選ぶ形になります。

加算の要件と結びついている

個別機能訓練加算を算定する場合、計画書の作成が要件になります。そのうえで、3か月ごとの評価と説明も求められます。

要件は加算の区分によって変わります。そのため、自事業所が算定している区分の要件を確認しておきます。

要件を満たしていないと、返還の対象になります。

訓練の記録と対になる

計画書に書いた内容を、実際に行った記録が要ります。計画だけがあって記録がないと、実施したことが示せません。

そのうえで、記録の単位を計画とそろえておきます。週2回と書いたなら、週ごとに数えられる記録にします。

計画と記録が対になっていると、月末の確認が早く済みます。

個別機能訓練計画書を誰が作るか

個別機能訓練計画書は、複数の職種が共同で作ります。1人が作った計画は、見ている範囲が狭くなります。

計画を作る側

  • 機能訓練指導員
  • 看護職員
  • 介護職員
  • 生活相談員

意見の出どころ

  • 日々の介護記録
  • 本人と家族の希望
  • ケアプランの目標
  • 医師からの情報
複数の職種が、それぞれの見ているものを持ち寄る

左が作る人で、右が材料になります。そのうえで、どちらも記録から出てくるものが多くあります。

参加した職種を書いておく

計画書に、作成に関わった職種を書いておきます。共同で作成したことが、書面から読み取れる形になります。

そのうえで、いつ話し合ったかも書きます。会議の記録と対応させておくと、経緯が追えます。

書いていないと、1人で作ったように見えます。

介護職員の見ているものを入れる

機能訓練指導員は、訓練の場面を見ています。一方で、介護職員は生活の場面を見ています。

食事のときに手が上がりにくい、着替えに時間がかかる。そのうえで、日によって違う様子も知っています。

こうした情報が入ると、目標が生活に近づきます。

ケアプランの目標とそろえる

個別機能訓練計画書の目標は、ケアプランの目標とつながっている必要があります。別々の方向を向いていると、本人が混乱します。

そのため、ケアプランを見てから作ります。そのうえで、ケアプランが見直されたときは、こちらも確認します。

食い違いがあれば、ケアマネジャーと調整します。

個別機能訓練計画書の目標の書き方

個別機能訓練計画書の目標には、短期と長期の2つを置きます。評価の周期は3か月ごとが目安になります。

  • 短期目標 3か月 3か月で目指す状態
  • 長期目標 12か月 半年から1年
  • 進捗の評価 3か月 3か月に1回以上
  • 計画の見直し 6か月 状態が変わったとき
目標と評価の周期(月数で比較)

短期目標は、3か月で届く範囲に置きます。そのうえで、長期目標に向かう途中の段になるようにします。

測れる形で書く

「歩行が安定する」だと、3か月後に達成したかどうかが判断できません。数や距離を入れると、比べられる形になります。

「手すりを使って10メートル歩ける」「見守りで5分立っていられる」。そのうえで、現在の状態も書いておきます。

測れる形で書いておくと、3か月後の評価がそのままできます。

本人の言葉を残す

目標を決めるとき、本人が何をしたいかを聞きます。「孫の家に行きたい」「またお風呂に一人で入りたい」。

こうした言葉を、そのまま計画書に残します。そのうえで、そこから測れる目標に落とします。

本人の言葉があると、訓練の意味が伝わります。

達成したら書き直す

短期目標に届いたら、次の目標を立てます。同じ目標が何期も続いていると、計画が止まっている状態です。

そのうえで、達成したことも本人に伝えます。できるようになったことが分かると、次の意欲につながります。

達成の記録も残しておきます。

個別機能訓練計画書の訓練の内容の書き方

個別機能訓練計画書の訓練の内容は、目標から必要な動作をたどって決めます。先に訓練の種類を決めると、目標と結びつきません。

  1. 1 目標 生活の場面で書く
  2. 2 必要な動作 立つ・歩く・またぐ
  3. 3 訓練の内容 その動作に効くもの
  4. 4 回数と時間 週何回、1回何分
  5. 5 留意点 疾患や痛みへの配慮
目標から必要な動作をたどって、訓練を決める

この順でたどると、訓練の意味が説明できます。そのうえで、本人にもなぜその訓練をするのかが伝わります。

項目内容書き方の目安
訓練の項目何を行うか動作の名前で書く
回数と頻度週何回・1回何分記録と同じ単位で
実施する者誰が行うか職種を書く
留意点中止の基準など血圧や痛みの目安
使う用具平行棒・重錘など変更したら直す
場所訓練室・居室生活の場も使う

右の列は、書くときの目安です。そのうえで、記録の様式と同じ項目にしておくと突き合わせが早くなります。

生活の場面を訓練に入れる

訓練室でしか行わない形にすると、生活につながりにくくなります。実際の場面を訓練の一部にする方法があります。

トイレへの移動、食堂までの歩行、着替えの動作。そのうえで、その場面を訓練として記録に残します。

生活の中で行うと、本人にも意味が伝わりやすくなります。

中止の基準を書く

血圧が一定を超えたら中止する、痛みが出たら止める。こうした基準を計画書に書いておきます。

書いてあると、実施する人が判断できます。そのうえで、疾患による制限がある方については、医師の指示も書いておきます。

心疾患や整形外科の術後などは、特に確認が要ります。

中止した場合の対応も決めておきます。その日は行わない、内容を軽くする、看護職に相談する。

そのうえで、中止したことを記録に残します。記録があると、次に同じ状況になったときの材料になります。

介護職員が行う部分を分ける

機能訓練指導員が行う部分と、介護職員が日常の中で行う部分があります。どちらが行うかを分けて書いておきます。

誰が行うかを分けて書いておくと、実施の記録もそろいます

個別機能訓練計画書の3か月ごとの評価

3か月ごとの評価では、目標に届いたかどうかを見ます。届かなかった場合、理由によって打つ手が変わります。

  1. 短期目標に届いたか はい次の目標を立てる いいえ次へ
  2. 近づいているか はい内容を続ける いいえ次へ
  3. 訓練が計画どおり実施できたか はい内容を見直す いいえ実施の妨げを取り除く
  4. 状態が変わっていないか はい目標から見直す いいえ経過を見る

届かなかった理由が実施か内容かで、打つ手が変わる

3か月ごとの評価の順序

実施できていて届かないなら、内容か目標を見直します

実施の回数を先に見る

目標に届かなかったとき、まず実施の回数を確認します。週2回の計画で、実際は月に3回しかできていないことがあります。

この場合、内容を変えても結果は変わりません。そのうえで、実施できなかった理由を確認します。

人手、本人の体調、行事との重なり。原因によって対応が変わります。

説明した記録を残す

評価の結果は、本人と家族に説明します。説明した日と、伝えた内容を記録に残します。

そのうえで、本人や家族から出た意見も書いておきます。次の計画に反映する材料になります。

説明の記録がないと、要件を満たしていないことになります。

変えなかった場合も記録する

評価の結果、内容を変えない判断をすることもあります。このときも、なぜ変えないのかを記録に残します。

「順調に近づいているため継続」という形です。そのうえで、次の評価の時期も書いておきます。

書いていないと、評価していないように見えます。

個別機能訓練計画書と記録のつなぎ方

計画書と実施の記録は、対になっている必要があります。実地指導では、両方を突き合わせて見られます。

  • 計画の回数 5週何回と書く
  • 実施の記録 5行った日を残す
  • 中止した日 3理由も書く
  • 評価の記録 43か月ごと
記録として残すものと、実地指導で見られる度合い

上の2つが基本になります。そのうえで、実施できなかった日の記録があると、経緯が説明できます。

中止した日の理由を残す

実施できなかった日を空欄にすると、忘れたのか中止したのかが分かりません。理由を1行書いておきます。

体調不良、受診、本人の希望、行事。そのうえで、代わりに行ったことがあれば書きます。

理由が集まると、実施を妨げている要因が見えます。

記録の単位を計画とそろえる

計画に「週2回」と書いたなら、週ごとに数えられる記録にします。日ごとの記録が並んでいるだけだと、数える手間がかかります。

そのうえで、様式に週の欄を作っておくと集計が早くなります。月末に見返す作業が数分で済みます。

単位がずれていると、確認のたびに数え直すことになります。

月末に回数を数える

月末に、計画の回数と実際の回数を突き合わせます。差が出ていれば、その時点で調整できます。

そのうえで、3か月の評価のときに材料として使えます。評価の日にまとめて数えると、時間がかかります。

月ごとに数えておくと、評価が早く終わります。

個別機能訓練計画書でつまずきやすいところ

個別機能訓練計画書でつまずくのは、目標の書き方と、評価での見直しです。どちらも、前回の計画と並べて見ると気づけます。

  1. 目標が生活の場面で書かれているか はい次へ いいえ本人の希望から書き直す
  2. 目標が3か月で測れる形か はい次へ いいえ数や距離を入れる
  3. 訓練の内容が目標とつながるか はい次へ いいえ必要な動作からたどる
  4. 評価で内容を変えているか はい回っている状態 いいえ前回の計画と比べる

前回の計画と並べて見ると、変わっていないことに気づける

計画が回っているかの確認

4つのうち、最後が抜けやすい部分です。評価の欄だけを埋めて、内容が前回と同じままになることがあります。

前回の計画と並べて見る

新しい計画を作るとき、前回のものを横に置きます。目標も内容も同じなら、3か月の間に何も変わっていないことになります。

前回と並べて見ると、変わっていないことに気づけます

全員に同じ訓練を書かない

同じ訓練の内容が全員に並んでいると、個別の計画になりません。集団で行う体操と、個別の訓練は分けて考えます。

集団の体操を行うこと自体は問題ありません。そのうえで、その方に必要な訓練を個別に加えます。

個別の部分が1つでもあると、計画として意味を持ちます。

本人が納得しているかを確かめる

計画を作っても、本人がやりたいと思っていなければ続きません。説明のときに、本人の反応を見ます。

そのうえで、気が進まない様子であれば理由を聞きます。きつい、意味が分からない、恥ずかしい。

理由が分かると、内容や場所を変える判断ができます。

記録の様式を計画に合わせる

計画に書いた訓練の項目が、記録の様式にないことがあります。この場合、実施しても記録に残りません。

計画を作ったら、記録の様式も確認します。そのうえで、項目が足りなければ足します。

計画と記録がそろっていると、月末の確認が早く済みます。

個別機能訓練計画書を回す形にする

個別機能訓練計画書は、3か月ごとの評価を予定に入れておくと止まりません。評価の時期が来てから思い出す形だと、後ろにずれます。

  1. 1 作成 職種が共同で
  2. 2 実施 記録に残す
  3. 3 月末の確認 回数を数える
  4. 4 3か月の評価 進捗を見る
  5. 5 説明と見直し 本人と家族へ
3か月ごとの評価を予定に入れると、止まらない

この流れが1周すると、次の3か月が始まります。そのうえで、各段の担当を決めておくと動きます。

評価の月を一覧にする

利用者ごとに、次の評価の月を一覧にしておきます。作成した月から3か月後が、次の評価の時期になります。

そのうえで、その月の初めに一覧を見る習慣をつけます。何人分の評価があるかが分かると、時間の見込みが立ちます。

利用者が多い事業所では、月ごとに分散させる形もあります。

会議の予定に組み込む

評価は、複数の職種で行う形が求められます。そのため、職種がそろう会議の場を使うと進めやすくなります。

会議の議題に入れておくと、職種がそろった場で評価できます

様式に評価の欄を作る

計画書と評価を別の紙にすると、対応が追いにくくなります。同じ様式の中に評価の欄を作っておきます。

そのうえで、前回の目標と結果が並んで見える形にします。比べる作業が、その紙の上で済みます。

紙が1枚にまとまっていると、説明のときにも使えます。

様式は個別機能訓練計画書テンプレートからダウンロードできます。もとになる聞き取りはアセスメントシートにまとめています。

よくある質問

個別機能訓練計画書は誰が作るのですか。

機能訓練指導員に加えて、看護職員、介護職員、生活相談員などが共同して作成する形が定められています。1人で作って回覧するのではなく、関わる職種が意見を出して作ることが前提になっています。参加した職種を計画書に書いておくと、共同で作ったことが示せます。

進捗はどのくらいの頻度で評価しますか。

3か月に1回以上、進捗の状況を評価する形が求められています。加算の区分によって、居宅を訪問して説明することまで求められる場合があります。加算の要件は改定で変わるため、その時点の告示や解釈通知で確認しておくと安心です。

目標を達成したら計画は終わりですか。

達成した時点で、次の目標を立て直す形が一般的です。同じ目標を残したままにすると、進捗の評価が意味を持たなくなります。達成した記録を残したうえで、次に何を目指すかを本人と話して書き直します。

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